《MUMEI》 ≪ザァ‥≫ 「───────」 誰もいーひん屋上。 風が吹いてきた。 グラウンドから聞こえる‥‥ 賑やかな声。 雀が足元に来て‥ すぐにまた飛んでった。 あどけない囀りも‥ だんだん遠のいていって──‥ 「‥っ‥‥‥‥‥」 我慢しとったはずやのに‥ 涙が出てきた。 床に座り込んで‥ ただ‥ 泣き声だけは堪えて暫く泣いとった‥。 泣いたかて何にもならんて分かっとる。 でも開き直れる程‥ ウチは強くないねん‥。 不器用で‥ 泣き虫で‥。 出来るんやったら‥ 変わりたい──‥。 前へ |次へ |
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