《MUMEI》

≪ザァ‥≫

「───────」

誰もいーひん屋上。

風が吹いてきた。

グラウンドから聞こえる‥‥

賑やかな声。

雀が足元に来て‥

すぐにまた飛んでった。

あどけない囀りも‥

だんだん遠のいていって──‥

「‥っ‥‥‥‥‥」

我慢しとったはずやのに‥

涙が出てきた。

床に座り込んで‥

ただ‥

泣き声だけは堪えて暫く泣いとった‥。

泣いたかて何にもならんて分かっとる。

でも開き直れる程‥

ウチは強くないねん‥。

不器用で‥

泣き虫で‥。

出来るんやったら‥

変わりたい──‥。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫