《MUMEI》 過去「お前はこの世界の“王家の血を受け継ぐ者”だ。」 グレイドの何時になく真剣な眼差しに、 体が緊張してしまう。 「…え。」 そのおかげで、反応が遅れてしまった。 「なんで…そんな筈無いじゃ無いですか! 証拠も無いのに…!」 「証拠?あるではないか。」 今まで黙って聞いていたシーフォードが、突然口を開いた。 「その翼を、私に広げて見せてくれないか?」 「え?あ、はい。」 戸惑いながら翼を広げると、 「ほぉ……。」 シーフォードは目を細めて、優しく微笑んだ。 「まさしく、その翼は“王家の血を受け継ぐ者”よ。」 「どうして…ですか?」 「うむ。その翼は、グレイドと違って牙が生えているであろう?」 俺は自分の翼を見ると、渋々はい、と頷いた。 「それはな、代々王家の者にしか見られない、貴重なものよ。 即ち、お前は王家の者と言うことだ。」 「現に、コイツも共鳴しているしな。」 グレイドが、黄色く光るものをポケットから取り出した。 前へ |次へ |
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