《MUMEI》
金井紗南。
金井紗南が、高校3年になって数日がたつ。ホームルームの時間。
『…うるさ…』
寝ようと思って伏せていた体を起こして、ボソッと呟く紗南は、頬杖を付いて、黒板の言葉を睨むように見た。
≡進路≡
その言葉のみがかかれている黒板。
自分の高校生時代を誰も聞いてないのに夢中で話す担任。
そして、クラスの奴らは大学に進学するか、就職するかで、それぞれ思い思いの事を話す。
その日の授業は全て終わっていたので、ウルサくて寝られない紗南は、立ち上がりカバンを持って教室のドアに向かう。
『金井!!アンケート書いてから帰れよ!!』
担任が叫んだ。
しかし
『紗南には関係ないじゃん。進路のアンケートでしょ?帰る〜。』
クラスの仲の良い数名の友人から
『きゃはは〜!!サナらしいわ〜』
と笑い声が出る。
担任や他の生徒は、ポカンとなった。
…が、すぐにまたさっきの状況に戻り、紗南を気にする者はいなかった。
『まぢうぜぇ…』
教室を出た紗南は、階段を早足で降りた。
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