《MUMEI》

俺は意外?と抵抗力が無く、七生に会いたくないのもあって、三日も休み続けていた。



ピンポーン



インターフォンが鳴る。
誰か来たのだろう、調度皆留守なのでマスクをして出る。

『やほー来てみたよ。』

水瀬だった。


「あれ、どうしたの。」

水瀬が来るなんて、
付き合ったのも一時だったから呼ぶ機会も無かった家に彼女が今、入ることになるなんて皮肉なものだな。


「風邪、長引いてるみたいだから来てみたの。最近、謎の美人さんが七生の出待ちしてるしさー。」

それ
絶対
[お姫様]だ。



「……いーんじゃん?七生に相応でさ。」


「何、拗ねてんの」

水瀬や一般視点からだと拗ねてるのか俺?


「違うよ、そうゆうのとは違うんだから。」

この虚無感は、そんなものじゃない。


「いや、私もそういうのじゃないの。放送部員で後輩君の安西って子がいるでしょー?チョーダイ。」

ちょ、頂戴?!


「軽っ!物みたいに言うなよ!」

安西に失礼だ。


「私、彼に恋してるの。だから木下君にハッキリ言っとくね。」

水瀬の得意技のカワイイ笑顔だ。


「俺に……?」

何故だ。


「じゃ、これノートとプリント。移されたら大変だから帰るね。お大事に。」

水瀬、なんだったのだろうか。

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