《MUMEI》

「‥‥‥‥新木‥?」

≪バッ≫

慌てて手を退かした。

「‥‥‥‥‥‥‥」

熱い。

ただ触れただけなのに‥

まるで熱を持ってるみたいに熱い。

≪ドクンッ‥≫

それだけじゃない‥。

何だか──‥

≪スッ≫

「?」

何かが目の前に差し出された。

鉛筆‥。

小さな手は僕の手にその鉛筆を置いて離れた。

先生の声で我に返って‥‥

教科書に向き直る。

でも集中は出来ない。

「──────‥」

あいつの事が気になる。

何でだ‥。

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