《MUMEI》
関係
学校に続く、桜の散る道を歩く一人の男がいた。洲藤尚之はポケットに両手を突っ込み、無愛想な顔をして学校に向かっていた。
尚之の家は、私立高宮学園から徒歩5分程度の所に家がある。道路の向かいには、ハイツ坂下というかなり古い学生マンションがあり、昔は部屋は全て埋まっていて、満室状態だったが、今ではちらほらと部屋の灯りが見える程度だ。
尚之は考えていた。――こんな楽しくない生活はもう嫌だ。何か面白いことはないのか――と。そんな考え事をしながら、ポケットのなかのマルボロメンソールの存在を確認していた。
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