《MUMEI》

引っ張られて‥

引っ張られて‥。

引かれるままに走った。

屋上に着いた時にはもうクタクタで‥‥

それでも新木はまだウチの腕を掴んだまま。

「なぁ、新木──‥」

「──‥、──‥」

「おーきにな、さっき」

「‥‥‥‥‥‥‥」

「ごめんな‥変な事に巻き込んでもうて‥」
「‥‥‥‥‥‥‥」

「新木‥?」

訊いても‥

やっぱり何も答えてくれへん。

「先に‥戻ってるから」

「ぇ‥?」

ビックリした。

新木が‥

喋った。

綺麗な声‥。

初めて聞いた。

あいつの声‥。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫