《MUMEI》
関係 2
気付くと、前には背中の辺りまで髪を伸ばした女性が立っていた。
「はるか。」
おもむろに尚之が声を掛けた。
「あっ、尚ちゃん。」
女性は長い髪をふわりとさせながら尚之の方を向いた。前髪を指でかき分け、
尚之と目を合わせた。
「おはよう。」
その声には、少し疲れているような感があった。
「何かあったか?」
「えっ?別に何もないよ。」
「そうか。ならいいけど。」
緋冶はるかは尚之の彼女だ。付き合い始めたのは3ヶ月ほど前からで、はるかから尚之に告白したのだ。
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