《MUMEI》

また1人‥

また1人‥。

確実に‥

1人づついなくなる。

みんな不安がって‥

毎日気が気じゃない。

今日は6日目。

鏡の前で‥

1人の女子が座り込んでた。

「大丈夫ですかっ?」

駆け寄ると‥

その子はか細い声で呟いた。

「これ‥鏡の側に‥‥」

「‥!」

「おい、これって‥」

「また連れてかれてもうたんか‥」

「生徒手帳だけが落ちてたのね──」

美春先輩が言った途端‥

その子が泣き出した。

「花奈ぁ‥」

「大丈夫よ、あなたの友達も、みんなも、私達が必ず助け出すから」

するとその子は小さく頷いた

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