《MUMEI》
‐陸‐
さっきまで話しかけてきてたのに‥

小坂はずっと黙り込んでる。

また何か勘違いさせたかな‥。

それよりも‥‥‥

早く小坂を家に送ってあげないと‥。

そう思って歩調を早める。

小坂は戸惑った様子で付いて来る。

寒いのか‥

震えてるみたいに見える。

髪もブレザーもずぶ濡れ。

やっぱり校門じゃなくて──

玄関で待ってるべきだったよな‥。

「‥‥‥‥ごめん」

「ぇ‥?」

「‥‥‥‥‥‥‥」

何も答えられない。

言わなきゃと分かっていても。

どうして僕はこうなんだろう‥。

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