《MUMEI》
守・沈黙
「やぁ、祐也。頑張ってる?」

「一応」

「祐也、大活躍よ」

「今のところ、うちのクラス一位ですし」

「すごーい」

「…」


その後、何故か当たり前のように希先輩と柊は俺達の元にやってきた。


俺は普通に


志貴は明るく


真司は親しげに


キング・柊と会話していた。


もちろん、最後に『すごーい』と言ってくれた希先輩は、元々柊の身内だから、キング相手でも普通だし


この状況


かなり、普通以上に注目を浴びている状況にも慣れているようだった。


慣れていないのは


「…」


未だに緊張している守だけだった。


どうやら、この一年でクイーンには慣れたが、まだキングには慣れていないらしい。


「ただいま戻りました〜」

「拓磨〜」

「うわ、やめろ!抱きつくな、守!気持ち悪ィ!」

「そう言うなよ〜! 美形集団の中に一人だけ平凡顔は寂しかったんだよ〜」

「そうか…って、俺も平凡顔なのか!?」

「拓磨は中の上だよ〜」

「それは、喜ぶ所か!?」

「俺、中の中だし、補欠だもん!」

「あ…そうか」

「…」


そして、守は自分の言葉にショックを受けてまた沈黙した。

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