《MUMEI》
頼の英語
「…何だ、あいつ」

「… … 頼」


微妙な空気の中、入ってきたのは不思議そうな頼の声だった。


[希と祐也と二股か?]

[違うよ。俺とは友情で希先輩とは愛情だから]


頼が英語なので、俺も英語に切り替えた。


希先輩と志貴の英語力は普通だ。


俺と頼の今の会話はかなり早口だから、多分二人には理解できていない。


「何で英語?」


案の定、志貴はすぐに不満を訴えた。


「堂々と悪口言えるから」

「俺は言ってないからな!」


頼の言葉に、俺は慌てた。

最近何となく気付いたが、頼が英語で話す時は、悪口の時もあるが


大半は、聞かれたくない真面目な話や


聞かせたくない暗い話が多いから


意外と周りの事を考えてるのかもしれないと感じる事もあった。


[それに祐也と昼間からHな話堂々と出来るしな。

な、あの子の腰と足、よくない?]


(やっぱり考えすぎかもしれない…)


普通の男子高生が走る姿を指差して、とんでもない事を口走る頼に、俺は英語で返事をした。


[お前、頼むから猥褻罪で捕まるなよ。

あと、普通の男子高生を妖しい道に引っ張るなよ]

[じゃあ、祐也が相手を]


[するか〜!]

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫