《MUMEI》

ずっと誰とも関わらないようにしようと思って来た‥。

そうすれば相手も自分も傷つかなくて済むと思ってたから‥。

でもそれは違ってた。

誰とも関わらないようになんて出来ないし‥

関わらない事で傷付いたり傷付ける事だってある。

そう分かってるはずなのに──‥。

その時小坂が話しかけてきて‥

送ってる途中なのを思い出した。

小坂の家の前に着いたのはそれからすぐの事‥。

「おーきにな、ホンマに助かった」

「───────」

何も言わずに帰ろうとしたら‥

後ろから呼び止められた。

「ちょっと待っとって。タオル‥持って来るから」

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