《MUMEI》 『タオル‥持って来るから』 そう言って小坂は家に入って行って‥ それからすぐにタオルを持って戻って来た。 白いタオルを僕の肩にかけてくれてから‥ 小坂はまた『おーきに』‥ そう言って小さく笑った。 軟らかい── 優しい笑顔。 こいつが笑ったのを見たのは久し振りだな‥。 あそこで待ってて良かった。 ほんとにそう思う。 自分の家に向かって歩きながら── 何だか嬉しくなった。 前へ |次へ |
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