《MUMEI》
微妙な頼
「嫌われちゃったかなぁ、俺」


相変わらず笑いながら、頼が言った。


「協調性無いし、興味ある事と無い事、極端過ぎるし…気分屋だし、相手にしたくないんじゃない?」


「なるほど」


(今のは嫌味だと思うぞ)


そう思ったが、また納得されそうだから、口には出さなかった。


「ま、でも今日は陸上だし、頑張るよ。

それに、演劇もね」

「…恋愛は?」


立ち去る頼の背中に、俺はつい問いかけた。


厳は、花嫁探しをかなり楽しんでやっているが、頼はいまいちよくわからなかった。


「ん〜、今のところ、微妙。
あんまり、誰かと争ってでも彼女欲しいとか思わないし。

まぁ…」


[男だから、ヤリたい気持ちはあるけどね?]


…途中で英語に変えたのは、純情な志貴を気遣って…

[何なら祐也でも…ウッ!]

(無いかもしれない…)


頼に蹴りを入れながら、俺はため息をついた。


その後負傷しながらも、頼は活躍していた。


クラスマッチは、一年は頼のクラス・二年は俺達のクラス・三年は陸上部員が多いクラスが優勝した。

去年優勝した祐・希先輩・葛西先輩のクラスは、葛西先輩が不調だったから、三位という結果に終わった

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