《MUMEI》
多川陽。
『…わ〜…多川〜…た〜が〜わ〜は〜る〜……
…ごらぁ!!多川陽!!起きろ!!』

痺れを切らした担任の声が教室に響き渡った。
紗南とは違う階、理系クラスの教室。

多川陽もまたホームルール中だった。
内容も同じ進路について。
理系クラスで大半が男子の教室。

『…んぅ〜、…うるせ〜な…。』
『あぁ!?多川!!うるせ〜じゃねぇだろ!!』

口の悪い生徒と口の悪い担任。

『…つかさぁ〜、俺じゃなくて、後ろの席の話してる慎也とか注意しろや。』
友人の慎也達を指差た。

『お前らも真剣に黙ってアンケート書け!!』

担任のとばっちりが友人に飛び、陽はまた寝る体勢に入った。

『陽が俺裏切った〜。』
慎也が大声で叫んでも、陽は知らん顔。

しかし、担任が陽の眠りを見逃すわけが無く…

バシッッ!!

近付いて頭を叩いた。

『痛っ…んだよ!!』
『お前眠いんならアンケート書いてから寝ろ!!』
担任を睨む目をアンケートに向けた。

≡進路≡

『俺、大学行かねぇし…就職先なんてあるわけねぇし…』
『無いなら、未定ってでっかく書いとけ!!』

担任の言葉にイラつき、走り書きで言われた通り【未定】とだけ書いて席を立った。

『多川〜。お前まだ帰れねぇぞ!話があるから、5時に職員室な。』

『めんどくせぇ…まだ1時間もあるし…』

そう呟いて教室を出た。

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