《MUMEI》

熱が下がって、久しぶりの学校だった。

毎朝三人で登校する習慣が苦痛だ。



「――――――はよ……」

七生はまだ来てないか。
乙矢はさかさかと自転車を進ませる。


……七生がまだ揃っていないのに。





「二郎、聞いてないのか?」


「何?」


「引っ越したこと」








七生が
居なくなった。

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