《MUMEI》

「出来杉さんは、このノートで……誰かを死に至らしめるつもりだったの…?」



「……………。」


僕は沈黙をもって応える――…。



その態度に、彼女は僕の企みを読んでしまったように表情を曇らせた――…。



「いったい……誰を殺めるつもりだったの…?」



「……………。」


僕は何も語らない…。語ることができない…。




そんな僕から答えを聞き出そうと、彼女は思い当たる名前を列挙し始めた。



「…武さん…?」



「……………。」


僕は黙って首を横に振る――…。

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