《MUMEI》 この前の手紙には‥ ちょっぴり嬉しい驚きがあった。 いつもの手紙に加えて封筒に入れられていた物‥ それは枝折だった。 紫陽花の押花が飾られて‥ 水色のリボンを通してあった。 丁度前の枝折を別の本に挟んでいたから── 枝折が増えるのは嬉しかった。 あいつが作ってくれたんだと思うと尚更。 「───────」 いつからだろう‥ 僕はあいつを好きになってる。 でもまだその気持ちを出しちゃ駄目なんだ。 まだ‥ その時じゃないから。 前へ |次へ |
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