《MUMEI》

◇◇◇

夢見草──‥

綺麗な名前‥。

そう思ってると‥

蜜樹君が覗き込んできた。

食べるのを忘れてた事に気付いて‥

やっと求肥を口に入れた。

「あんこ、桜好きだよな〜♪」

「‥ぇ、‥うん──」

桜は見るのも食べるのもどっちも好き。

綺麗でいい香りで‥‥

それに──

あの日の事を思い出す。

君と出会った日の事を。

だから桜は──

あたしにとって特別な花なんだ。

◇◇◇

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