《MUMEI》
保健室
『…もしもし?紗南だけどぉ…』
携帯を片手に保健室の前を通り過ぎ、今から帰ろうとする下級生で賑わうげた箱に向かった。
『今学校終わったぁ〜。まぢ疲れたんだけど。琢磨早く迎えきて〜。』
紗南が靴を取ろうとする手を誰かが掴んだ。
『紗南さ〜ん。』
『まぢかよ…最悪。
やっぱり迎えいいわ。自分で帰るから。』
琢磨が何か言っていたが、紗南はすぐ電話を切った。
誰かとは、保健室の養護教員の北村。
『紗南さん。携帯は、学校で使っていいっけ?』
『規則古すぎ!!別にいいじゃん。』
紗南の声に下級生達が一斉に振り向く。
そんな紗南を保健室の中まで連れて行った。
『まぁそうだと私も思うよ…でも、みんなに見られる所で使ってたら注意するわよ。決まりは決まりだから。』
『…まぁいいや。どうせ上から言われてるんでしょ。北村ちゃんには、いつもココでだけって約束で使わせてもらってるし…約束破った紗南が悪いね。はい、どうぞ。』
別に紗南は、北村が嫌いではなかった。いつもだったら、とぼけたり反抗して応じないが、今回は素直に携帯を差し出す。
『私は別に取り上げません。でも注意はしたからね。』
『さすが北村ちゃん!!紗南の事分かってるね!!ゴリラ(担任)とは違うわ〜。じゃあ紗南、今日歩いて帰るから、ちょっと寝てくぅ〜。』
北村にハグして、ベッドに向かった。
『あっ、紗南さん。2年生の子が高熱出しちゃって、親子さん来るまで寝てるから、ベッドは空いてないわよ。』
『まぢか…じゃあ、ソファーで寝ていい?』
『しょうがないわね。』
紗南は、ソファーに横になって、目を瞑った。
『北村先生〜!!』
保健室のドアが開き、大声で北村を呼ぶ。
その声にイラっときた紗南。
『うるさ…帰れよ…』
声の主の姿も見ず、小声でソファーの背もたれに顔をうずめた。
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