《MUMEI》

「…スネオさん…?」



「……………。」


またもや首を横に振る――…。



すると彼女は、遂に核心に触れる人名を呟いたんだ――…。



「…まさか…のび太さん…?」



「!…………。」


小さな動揺を孕んだ僕の沈黙に、彼女の鋭い勘が何かを察してしまった。




この瞬間、僕が彼女に抱いていた淡い恋心は――…




永遠に叶うことの儚い夢となって消えゆくことを――…




…僕は悟った。

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