《MUMEI》

修平とはすれ違う事もなく一ヶ月が過ぎた。




一学期初めての考査で修平はとんでもない点数をはじきだしたらしい。
あまりの点数に生徒会の中でちょっと話題にあがった。


まあ、俺は聞いていただけで混ざりはしなかったけど。

つか俺も似た点数で首位だったけど、俺は化け物扱いですっかり論外にされている。



修平は一緒に暮らしていた頃そんなに成績が良いイメージがなかった。いつも部活ばかりでおばさんが俺の成績を羨む発言をした事がある。
修平がどの程度だったのかはわからないけど、きっとたいした事はない、と、勝手に決めつけていた。

久しぶりの生徒会活動もバイトもない学校の帰り道。親父も今日は出張でいないし、俺は学校から一番近いコンビニに迷わず立ちよる。

弁当を物色しドリンクを何本かカゴに入れていく。今日は勉強したい場所をとことんやり抜きたい。
恥ずかしくて人には言えないが教科書を開くのがめちゃめちゃ好きだったりする。
ストレスを感じたらとりあえず机に向かう。
もしストレスを発散させる対象が教科書ではなくゲームや他の事だったらきっとそれをしていただろう。
俺にとっての勉強はたんにそんな類の対象で、たまたま今の学生という立場に於いて、利に叶っているだけの事だ。
数式は特にゲームを攻略するのと一緒だと、思う。

なんとはなしに雑誌の棚に目を向ける。

すると入り口の自動ドアがゆっくりと開き、見知ったる人間が入ってきた。



俺と同じ制服。



そいつはすぐに俺に気付きこちらを向いた。


「……」


「……」





やっと、久しぶりに近くで会った瞬間だった。

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