《MUMEI》

何度か声を出しかけたけど‥

喉元でつかえてそれ以上出てこない。

結局黙っているしかなかった。

でも流石に決まりが悪い気がして‥‥‥

「‥‥‥‥コサカ」

小さく呼びかけてみた。

そしたら少しビックリした様子で‥

小坂が僕の方を見た。

「‥‥‥‥‥‥‥」

「───────」

そのまま時間が止まる。

鼓動だけが煩い位に脈打って‥‥

息をするのも忘れてた。

「新木‥?」

その声でまた時間が動き出す。

小坂は僕から少し視線を逸らして‥

伸ばしてた両脚を抱え込んだ。

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