《MUMEI》
電マ
みゆきは強気な顔で不破野を見すえると、勢いよく立ち上がった。
カゴに脱いだ服を入れていく。
一糸まとわぬ姿のみゆき。美しく魅力的な裸体に、同じ女性であるナースが息を呑んだ。
みゆきは言われた通りベッドにうつ伏せに寝た。
不破野は背中や脇を手で触りながら見る。
彼女の脇の下や脇腹をわざとなのかソフトタッチ。
くすぐったいが我慢した。この男の思うツボにはならない。
みゆきは気持ちを確かに持った。
「はい、じゃあ、お尻を見ますんで、四つん這いになってください」
「え?」
みゆきは、やられた、と思った。お尻なんか彼氏にも見せない。
恥ずかしいし悔しい。でも治療ならば従うしかない。
みゆきは真っ赤な顔をして四つん這いになった。
不破野は至近距離でお尻をながめる。みゆきは唇を噛んだ。
いきなりハケのようなものでお尻を上下に撫でる。
(あっ…)
みゆきは歯を食いしばった。
「では、仰向けに寝てください」
裸は一度見られている。みゆきは毅然とした態度で、恥じらうことなく仰向けになった。
不破野は両足を取ると、大きく広げた。ナースも手伝い、彼女の両足首を固定する。
みゆきはすましていた。
次に両手をバンザイの形にして、固定しようとする。みゆきはナースを睨んだ。
「なぜ手も縛るんですか?」
「縛る?」ナースは笑った。「固定するだけよ」
「だからなぜ?」
困るナースは不破野を見た。不破野はみゆきの顔を上から見下ろす。
「だから嫌ならほかの病院へ行ってください」
仕方なくみゆきは黙った。ナースは彼女の両手を固定してしまった。
みゆきは全裸で大の字の格好にさせられた。
不破野はナースに耳打ちする。ナースは診察室を出ていった。
「ふう」
白衣の悪魔はみゆきを睨んだ。
「みゆき、生意気な態度取るならまたいじめちゃうよ」
「くだらない!」
「くだらない?」
不破野は笑顔だ。両手両足を固定されて、大切な体を敵の前に投げ出しているというのにこの強気の態度。
不破野は興奮した。
「みゆき」
「呼び捨てにしないで!」
「みゆき。生意気な態度取るといじめるって言ってんのに、生意気な態度取るってことはさあ、エッチな意地悪を期待してんのか?」
「バッカじゃないの。一回死んだら?」
不破野は燃えた。
「みゆき。おまえは最初強気に出るけど、ヤバくなると急にかわいくなって哀願するんだろ?」
「だれがそんなこと!」みゆきは下から睨んだ。
「女の子は甘えれば男が許してくれると思ってんだろ?」
みゆきは深呼吸すると、目一杯蔑んだ目をして不破野を見た。
「あなたもしかして、バカ?」
不破野は不気味な笑みを浮かべた。
「みゆき。そこまで言うなら許さないよ」
みゆきはわざと生意気な顔を向けて見すえた。
不破野は机の引き出しから何かを取り出すと、コンセントに差し込んだ。
「みゆき。これが何だかわかるか?」
みゆきは不破野が握っているものを見た。
「何よそれ?」
「見ればわかるだろ、電マだよ。これがマイクに見えるか?」
みゆきは首をかしげた。
「でんま?」
「何だ電マも知らないのか。ならいい機会だからこの電気マッサージ機の威力を知るといい」
マッサージと聞いてみゆきは身構えた。何をする気か。
「みゆき。電マはジーンズの上からでもアソコを攻撃されたら昇天しちゃう優れものだ」
「バカバカしい!」
強気に吐き捨てるみゆきだが、焦りも少し見える。不破野はほくそ笑んだ。
「下着の上からだと刺激が強過ぎてあんあん言っちゃう。でもみゆきみたいな生意気な女の子はクリトリスに直接当ててあげるね」
みゆきは身じろぎした。
(負けてたまるか…)
「じゃあ、行くよん。イッちゃったらゴメンね」
不破野はスイッチを入れた。嫌な音が響く。容赦なくみゆきのいちばん敏感なところを直撃。
想像以上の振動の激しさに、みゆきは慌てた。
(あ、嘘!)

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫