《MUMEI》
「都会の挨拶はアイアンクローですか」
大手門の前に馬車は止まり、乗客はゾロゾロと降りていく。
「ご苦労様」
なけなしの金を馬主に払う、最近は魔物や山賊が増えて運賃が高くなったから困ったもんだ。
とにかくまずは仕事にありつかなくては…
眼前には故郷からは想像のつかない風景が広がっていた。
まるで収穫前の大量の稲穂のように、人々で路地は埋め尽くされている、きっとすごい出来事が待っている。
なぜか、そんな気がして俺は大きく一歩を踏み出した!
直後、視界が暗転、鈍い衝撃が走った。
ぐらりと仰け反り、鼻を押さえる。
「おはよう」
目の前には短いツインテールの女の子
「父さん、都会の挨拶はアイアンクローみたいです」
思った以上にクリティカルヒットし、鼻から血が…
「何言ってんのよ、あんた田舎からの出稼ぎでしょ」
「…誰子ちゃん?」
アイアンクロー女は威風堂々たる態度で、無い胸を突き出してこう言った。
「あんた、仕事探してるんでしょ?いい仕事あるわよ」
「はぁ…どんな?」
聞けば、女の子は待ってましたと言わんばかりに声を上げた。



「世界征服よ!」



俺は服の汚れを払った。幸いに鼻血も止まってくれたようだ。
「…じゃ」
背を向けた直後、元気のいい掛け声と同時に、俺は意識を失った。


父さん、都会は…
わけわかんねーよ!!

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