《MUMEI》 「でも…じゃあ…母さんと父さんは? …幻だったと言うのか?」 俺が学校でイジメられていても、 見向きさえしなかった両親。 だが、俺をここまで育ててくれた親に違いない。 …幻…なんて嫌だ。 「幻ではない。」 思いが通じたのか、 両親は幻では無かったみたいだ。 自然と安堵のため息が出ていた。 しかし次の瞬間、 身体が凍り付くことになった。 「だが、お主の本当の親ではない。 あくまで、育て親だ。」 「…ど…うして…。 本当の俺の…親…は……?」 気絶しそうだった。 俺ってこんなにも恵まれて無かったのか。 自分の不運を呪わずにはいられなかった。 シーフォードは、 言いにくそうに大きな瞳を瞼の中に隠すと、 「お主の母親は、 お主を産んで…間もなくお亡くなりになられた。 父親は、遠出の時に何者かに……暗殺された。」 「暗殺された?!」 「左様。 それでジレンダは悟ったのだ。 この世界は危ないのではないかと…。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |