《MUMEI》 幸い、 お主が誕生した事はまだ公表されていなかった。 となれば、次に命を狙われるのはジレンダだ。」 「お婆ちゃんは?」 「その時はもう既に亡くなられておったよ。」 「そう…ですか…。」 「うむ。 そしてお主を人間界で人間として、 隠すことにしたのだ。」 「隠す?」 「うむ。 ジレンダは、 人間界とこの世界を繋げる通路が開くまで、 お主を一時期人間の姿にしたのだ。」 “人間界と、この世界を繋げる通路”? ああ、あれかな? グレイドが呼び出した、暗闇を頭に思い描いた。 「ジレンダはその後、 部下にお主の世話係りを頼んだ。 …そ奴等が、お主の育て親よ。」 すると、 シーフォードの背後から見覚えのある二つの影が、 前に進み出た。 その影は…… 俺の育て親である、 父さんと、母さんだった…。 前へ |次へ |
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