《MUMEI》

「レギジオスは!!」


「そう、
レギジオスと言う大地の守護神は、
この世に一体しか存在しない。」


シーフォードは、まるで俺の考えが分かったように言った。


その言葉にその場にいた皆は、
頭を下げてうなだれた。


「戦争だけでは無い。

他にもあるだろう?」


「はい……。」


「レギジオスは、
あまりに強大な疲労や怪我で傷付き、
遂には身動きすら出来ない状態になった。」


俺は、グッと下唇を噛み締めた。


姿は見えないが、大体は想像つく。


レギジオスは、どんなに辛かっただろう。


どれだけの痛みにずっと耐えて来たのだろう。


気付けば、
この部屋を出て走り出していた。


怖かったのではない。


とても……


悔しかったのだ。


そしてそれと同じぐらいに、
恥ずかしかったのだ。

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