《MUMEI》 ‐茉莉‐自分勝手なんは分かっとる。 でもあいつと話がしたい。 もういっぺん。 「──雨、止んだね」 「‥ぁ」 新木が扉の所に立っとった。 「来てくれたん‥?」 「───────」 新木は黙ったままウチの隣りに来た。 そこでハッとする。 「‥ここやない方が良かった‥?」 雨が上がったばかりの屋上は‥‥ まだ床が濡れとるから座れへん。 せやから立ったままいるしかないねん。 「場所‥変えよか‥?」 前へ |次へ |
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