《MUMEI》

◇◇◇

境内の端にある桜の木を見上げて夢見心地な気分でいると──

「‥ぁ」

いつの間にか手を握られてた。

「ミツキ‥君‥?」

≪にぱっ≫

「悪くないだろ?(笑)」

「──うん(微笑)」

そっと握り返したら──

蜜樹君がちょっぴり頬を赤くした。

その表情があどけなくて可愛い。

「そろそろ──戻ろっか(微笑)」

あたしが言うと蜜樹君は頷いた。

また風が吹いて──

花びらが踊り出す。

その中を2人で歩く。

しっかりと‥

手を繋いで。

◇◇◇

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