《MUMEI》

「新木は何で海が好きなん‥?」

「‥広いから──かな」

「広いから‥?」

目を海の方に向けたまま‥

新木は頷いた。

「広くて──自由だから」

独り言みたいに新木は答えた。

「──海を見てると落ち着くんだ」

「───────」

そうなんか‥。

新木は海が好きなんや‥。

「意外‥?」

「ぇ‥、ううん、そんな事あらへん」

口から出てくるんは相変わらずのぎこちない台詞‥。

今思たら‥‥

こいつの方が喋っとる。

ひょっとしたら新木てお喋り好きなんやろか‥?

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫