《MUMEI》
炭焼き小五郎
玉津姫は〜小五郎の住まいで、待っていると…


全身炭だらけの、真っ黒な男が帰って来た。


『どなたですか?』
小五郎は、玉津姫を見て、驚いて尋ねた。


『私は、大和国の久我大臣が娘〜玉津姫と申します。三輪明神のお告げに従い、炭焼き小五郎様の妻になる為に参りました。』


小五郎は、玉津姫の話を聞き、更に驚いた。


『遠く都から、お越し頂いて、有難い申し出ですが…見ての通りの貧乏暮らしで〜あなたを妻に迎えても、養って行く事が出来ませぬ。』
そう言って、玉津姫に頭を下げた。

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