《MUMEI》

玉津姫は〜小五郎の話を静かに聞いて頷いた。


そして都から持参した『金(きん)』を懐から取り出し〜小五郎へと差し出した。


『この金があれば〜食べ物が手に入りますよ。さあ、麓に行って手に入れて来て下さいな。』


小五郎は〜玉津姫の話に不思議そうに首を傾げながら、金を受け取り麓へと出掛けていった。


ここから麓まで半日は掛かる道のりだ。
しかし〜小五郎は、半時もしない内に、帰って来た。


しかも…手ぶらで…。

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