《MUMEI》
「今日から師匠と呼ばせて貰います!」
「カスティさん、朝ですよ〜」
シーラちゃんの優しい声で爽やかな目覚め…
「さっさと起きんかーい!」
それをぶち壊すリーズさんの怒声、やめてくれよ…
今日の朝食は野菜スープに目玉焼きにウィンナーと一般的な内容で、昨日とは大違いだった。
「では、私は資金集めとして広場で芸をしましょう、あまり集まらないとは思いますが」
「じゃ、アタシもちょい出かけるから、カスティとアル君は雑用と勧誘、シーラちゃんは家事お願いね」
さっさと朝食を終えたリーズさんは足早にリビングを後にした。
「それでは、支度してまいります」
アルバートさんも部屋に戻る。
「ごちそうさま、おいしかったよシーラちゃん」
「お粗末様でした。片付けはやっておきますね、アル、ちゃんとカスティさんの言うこと聞くのよ」
「おう!兄ちゃんよろしくな!」
店の裏には小さな小屋がある。
その前でアルに薪割りの仕事をやらせることにした。
「薪割りは…やったことあるか?」
「ない」
力仕事ができるとリーズさんに言っちゃったからなぁ…
「簡単だ、この斧で薪を割る…ちょうど年輪の真ん中辺りを」
ビュンッと軽く斧を振り下ろす。
パカンッという軽い音が響き、薪は綺麗に割れた。
「おぉーっ!」
「ほら、やってみろよ。斧の扱い方気をつけてな」
しかし、斧の重さに振り回されてかアルの一振りは薪にかすりもしなかった。
「たはは…」
「まぁ仕方ないか、っても俺なんてお前より小さい頃から薪割ってたんだぜ」
その時生み出した必殺技がある。
薪を3つ程掴み宙に放り投げる、そしてすかさずジャンプし…
「必殺!空中三段割りっ!」
ズバババッ…って音は無いが、空中の薪は見事に割れ、地面に落ちた。
「す、すっげぇぇえ!!」
「…ふぅ、まぁこんなことはできなくてもいいけど、薪は割れるようにしとけよ」
「兄ちゃん!修行すればオイラにもできるかな!?」
そんなに目を輝かされてもな、まいったな…
「まぁ修行次第だ!わかったら薪割り開始!」
「うおーっ!燃えてきた!今日から師匠って呼ばせて貰います!」
…え?
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