《MUMEI》 「陛下……。」 気付けば、ダルクも俺の隣りに座り込んでいた。 「あ、有り難き御言葉っ!! 私はこの世で一番の幸せ者です!!」 「…ダルクって、こんな奴だったのか?」 改めて見れば、 二人して整った顔はそのままでも、瞳は赤く、 それぞれそれ以外の風采が違う。 セビアの髪肩まで付くぐらいの長さで、燃えるような赤色だ。 ダルクは、 対照的に冷めるような紺色で、 髪全体オールバックだ。 「人間界で無口だったのも、お爺ちゃんの命令?」 「はいっ必要なこと以外は話すなと……。」 ダルクは未だに感涙しながら声を上げた。 「じゃあ……もしかして…俺が学校でイジメられていたのも気付いて…?」 「はい…。」 セビアとダルクが申し訳なさそうに頭を下げた。 「どうしたら良いものか分からないで……。 何も出来ませんでした。 申し訳御座いません……。」 そう言って、二人同時に再び頭を下げた。 そうだったのか…。 「も、もういいよ! セビアとダルクが悪い訳じゃないんだしっ!」 「有り難き御言葉〜!!」 またしてもダルクが感涙に浸っていた。 前へ |次へ |
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