《MUMEI》
「変な言い方ですが、私は人形を愛してます
裏庭でアルが薪割りに夢中になっているうちに、俺は倉庫整理をすることにした。
「うわっぷ!埃がひどいな…」
長く掃除していないのか、倉庫にある備品には山のように埃が積もっていた。
「ちゃんと使えるのか?これ…」
古びた剣や、ロープなどかなりの時間が経過していた、掃除しなければいけないがシーラちゃんにこんな汚いところをやらせるわけにもいかなかった。
「うしっ!いっちょ頑張ってみるか!」




私(わたくし)は街の広場で相棒の人形マックと共に2人3脚芸に勤しんでいました。
この手の芸はやはり珍しいのか、見物客はかなりの数になってまいりました。
特に子供受けが宜しいようで、マックも大喜びでしょう。
変な言い方になってしまいますが、私は人形を愛してます。
『みなさーん、こんにちは〜』
さぁ、今日も張り切って漫才といきましょう!




朝食の片付けも終わり、室内の掃除も一段落したところで私(わたし)は洗濯をすることにしました。
なんだか昨日まで乞食をしていたのが夢のようで、いつか覚めてしまうんじゃないかと怖くなってしまいます…
洗濯物を詰めたカゴを持って外に出ると、裏庭からアルの元気な声が聞こえてきました。
「うふふ、アルったら随分張り切ってるのね」
裏庭の倉庫の先は街の中を流れる川に繋がっていて、街の人達もみんなそこで洗濯をします。
倉庫の横を通った時、カスティさんが出てきました。
顔は真っ黒、腕のあちこちには小さなすり傷が沢山できてました。
「はは、倉庫の掃除ってなかなか大変でね〜、真っ黒になっちゃったよ。あ、洗濯手伝うよ」
カスティさん、本当に優しいです…
カスティさんのおかげで私達姉弟は明日も生きていけるんですよ…
「顔汚れてると、みっともないですよ。はい」
私は持っていたハンカチでカスティさんの顔を拭いてあげました。




その晩…
「はーい注目っ!」
遅くに帰ってきたリーズさんは何やら一枚の紙をみんなの前に差し出した。
「私達の最初の仕事をゲットしてきたわよ」
「なになに…北西の森に住むという伝説の妖精を捕まえて見せて欲しい?依頼人は、ドン・ガバチョ!?」
ドン・ガバチョと言えば都でも1、2を争う大富豪じゃないか!
「面白そうですね…しかし、本当に私達だけでできるのでしょうか?」
「やる前からそんな心配したってしょうがないでしょ?なんとかなる!いや、するわよ!」
こうして、俺達の初仕事が始まろとしていた…

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