《MUMEI》
関係 3
しかし尚之の理想とする女性とは違っていた。だからこそ一度は断った。中途半端な気持ちではるかと付き合えば、はるかが傷つくのは目に見えていたからだ。
しかし二度目の告白の時、尚之は欲望に負けてしまった。自分の部屋で、自分の目の前で無表情に服を脱ぐはるかを、自分の欲望にまみれた物で汚し、傷つけてしまった。お互いに初めてでは無かったが、一時の感情で、本能のままにはるかと交わった事を、酷く後悔した。目の前の餌を我慢するなんて犬でも出来る。そんな、犬でも出来る様な事を出来ない自分は犬以下だ、と自己嫌悪した。

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