《MUMEI》

「な、なんだよ!」


「失礼しました。

レギジオス様は、今もまだ生きておられますよ。」


「本当に…?」


「はい。
詳しくはまたあの場へ御戻りになられてから、
シーフォード様より伺いませんか?」


「…うん。」


そうして、
俺達は再びシーフォードとグレイドがいる場所へ引き返したのだった。





「お前!
何途中で抜け出して来ているんだ!!」


戻ると同時に、グレイドから罵声を浴びせられた。


「良いのだ、グレイド。」


シーフォードは軽くグレイドを宥めると、


「大丈夫か?」


と、俺に哀れみの言葉を投げ掛けた。


「はい。
すみませんでした。」


「良いのだ。

…して、何処から話せば良い?」


「レギジオスのことについて……お願いします。」


「うむ。分かった。

レギジオスはあれから、
体を動かすこともままならない状態になってしまった。

そして王家の者が途絶えた時、
何とか数年は耐えたのだろうが、
これ以上この世界にいると自身が危ないと察したのだ。


…三年前、
仕方なくこの国を離れて、
地中深くに潜っていった。」


「それは、どれぐらいの深さですか…?」


「うむ。
私もよくは知らないのだが、
恐らく地球の中心付近にいると思う。」


「地球の中心!?」

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