《MUMEI》 歩き疲れて‥ 立ち止まる。 「はぁ‥」 もう夕方。 陽が落ちてまう前に‥ あいつの家を捜し出さな‥。 封筒を握り締めて走り出す。 あいつの家を捜して。 無茶な事やて分かっとる。 見つからへんかも知れんて不安にもなる。 せやけどずっと届けて来たんやもん。 恋文を‥ 毎週1枚づつ‥。 まだ3ヶ月しか経っとらんけど‥ ウチなりに想いを綴ってきた。 一方通行かも知れへんけど‥ それを途中で途切れさせたないねん。 ウチは‥ あいつの事が好きやねん。 大好きやねん。 せやから絶対諦めへん。 絶対‥ この恋文を届けたる。 前へ |次へ |
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