《MUMEI》
「きゃーっ!好みのタイプ〜!」
気を失ったリーズさんを背負って、俺達は泉のある広場に出た。
ゆったりと柔らかい草の上に寝かせる、リーズさんは未だに目を覚ます気配はない…
「さて、しばらくは動けませんね」
「師匠、腹減りましたー」
歩き疲れた上にゴブリン達との戦闘だ、リーズさんには悪いが休憩と食事を取ることにした。
「妖精は見つかんないし、今どこにいるかわかんないし…お手上げだなぁ」
ドサッと大の字になって寝転ぶ、お腹も膨れたせいで眠くなってきた…
心地よい眠りを誘うように目の前がキラキラ光って…
キラキラ…?
ハッと目を覚ますと、目の前には小さな女の子が浮いている。
「ゆ、夢か?可愛い女の子が目の前に…」
「あら、嬉しいこと言ってくれるじゃない♪」
綺麗な羽を羽ばたかせる少女は、俺の頬をつねる。
「いでで…」
「ほーら、夢じゃないでしょ?」
はっきりと分かる、妖精だ。頭のてっぺんからぴょんと明後日の方に向いた癖毛、花の葉のドレスに花のリボンと非常に愛らしい姿だった。
「かーわいい!」
アルは大はしゃぎで妖精を見つめる。
「あたしルシス、人間がこんな所に来るなんて初めてよ」
「初めまして、私はアルバートと申します」
「きゃーっ!好みのタイプ〜!」
やはり美形は得だなぁ
「俺はカスティ、こっちはアル」
「よろしくね〜♪ところでそっちの女の人は?」
俺達はルシスにこれまでの事情を説明した。
「やっぱり、あのすごい魔力はあの人だったのね」
「あぁ、しかも全く目を覚まさないんだよ」
ルシスはふらりとリーズさんの傍まで飛ぶと、静かに呪文を唱えだした、次第にリーズさんの体がポーッと光り出し、リーズさんはゆっくりと目を覚ました。
「ん…んん」
まだ意識がはっきりとしないのか、瞳は虚ろいでいる。
しかし、目の前のルシスを見るとすぐに目を覚ました。
「…あなたが助けてくれたのね、ありがとう」
珍しく素直にお礼を言う。
「もう少しで『喰われる』ところだったわ」
意味深な台詞を言うと、リーズさんはルシスをそっと手で包む。
「よっしゃーッ!妖精ゲット!」
えええええっ( ̄○ ̄;)
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