《MUMEI》
写メ
《『美少女顔の祐也の彼女がどんな女の子なのかすごく気になる』?》

「…うん」

《…わかった》

「え?」

(何がわかったんだ?)


その日の夜。


守に言われた言葉をそのまま忍に伝えた俺は、首を傾げた。


《『忍ちゃん』の写メを送ってやる》

「…ええぇ!?」


その時、俺が普通に想像したのは


女装した忍だった。


「ま、待て、忍。はやまるな」


(絶対無理だから、それ!)


いくら忍が整った顔立ちだといっても、あのガタイで女装は無理がある。


《とりあえず、一回切る》

「まっ…」


ツー、ツー、ツー…





五分後、携帯が震えた。


…俺も、震えた。


恐る恐る、携帯を開くと、そこには二枚の写真が付いていた。


(あれ?)


一枚は、普通に


というか、かなり爽やかに微笑むラフな格好の忍の写真


そして、もう一枚は


(…誰だ? これ?)


忍よりは少し若い


しかし、俺よりは年上


綺麗というより可愛い感じの知らない女性の写真に俺は、首を傾げた。


そこに、忍からの電話があった。


写真に写っていたのは、ちっとも似ていないが、忍の妹だと言われた。

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