《MUMEI》 それて‥ 側に行ってもええて事‥? 「──いいよ、来ても」 「ぇ‥‥、邪魔やない‥?」 そう訊いたら新木はちょっとだけ頷いた。 せやから見つめとった貝殻を握り締めて‥ ウチは一方踏み出した。 近付いたはええけど‥ それでもウチはわざと少し離れてた。 あんまり近付き過ぎても‥ 困惑してまうんやないかて思たから。 ウチは新木の気持ちを知らへんし‥ 新木がウチをどう思ってるんかも分からへん。 せやから隣りに並ぶんは遠慮した。 前へ |次へ |
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