《MUMEI》

アンリ様を広間に御内して──僕はテーブルにカップとポットを並べていました。

「───────」

小さなスプーンでスープを掬いながら、アンリ様は何か言いたげにしています。

「如何なされました?」

「朝はこんなには食べられないって言ったのに──」

「朝食は大切ですからね。しっかり摂って頂かなくては」

僕の返事に、アンリ様は些か不満げです。

ですがそれ以上何かを仰る事は無く、静かに食事を始めました。

アンリ様が滅多に文句を仰らないのは‥僕が執事であると同時に、別の一面を持ち合わせているからかなのも知れません。

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