《MUMEI》
‐陸‐
夕陽を見ようと思って来てみたら‥

小坂がいたから思わず声をかけてた。

『もうすぐ夕暮れだから──見て行ったら‥?』

せっかくだから小坂に見せてあげたいと思ったんだ。

でも‥

小坂は僕の言葉をどう思っただろう‥。

「──好きに‥していいから」

そう言うと‥

「‥え、と‥、ほな、ちょっとだけ──」

ちょっぴり照れた様子で‥

小坂はそう答えた。

海の方を見たら──

もう陽が沈み始めて金色に染まり始めてた。

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