《MUMEI》 「わぁ‥っ」 小坂は眩しそうにしながら小さく歓声を上げた。 目を輝かせて── 頬をほんの少し── 薔薇色に染めて。 小坂ってこんな表情もするんだ‥。 景色よりも小坂の方に目が向いてた。 でも小坂は気付かない様子で夕陽に見入ってる。 声をかけようか迷って‥ 今は止めておく事にした。 あんまり近付き過ぎても‥ 後でどうなるか分からないと思って‥。 僕はまだ怯えてる。 好きになる事も‥ 信じる事さえも。 前へ |次へ |
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