《MUMEI》 「ち、地球の中心って…凄い高温で死んじゃいますよ!!」 「…人間はな。」 「え…!」 「だが、我々は違う。 特に守護神である私は、 守るべきもので一番力を感じるところ… いわば“源”となる場所で身体を休めることが出来るのだ。」 「“源”?」 「そう。 私の場合、 地底深くの海溝。 まだ人間には発見されていない場所だ。 そこから発する熱によって身体を休めることが出来る。」 「…それじゃあレギジオスは!!」 「うむ。 何とか生き長らえておる。」 「…良かった……。」 自然と顔が綻ぶ俺に、 シーフォードは至って厳しい眼差しを向けた。 「だが、安心するでないぞ。 あくまで、身体を休めることしか出来ない。」 「……え…?」 「王家の者が必要なのだ。 王家の者は、 守護神の傷付いた身体を和らげることが出来る。」 「つまり… 俺はレギジオスの体を回復させることが出来ると言う事ですか?」 「そうだ。」 シーフォードは大きな瞳を細めた。 その瞳は、とても優しかった。 前へ |次へ |
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