《MUMEI》

君の顔
君の腕
君の脚
君の首

全部受け止める。
「見てる?脳まで蕩けそうなオレンジ…」
首だけが飛んでいきそうでこめかみを両手で抑える。

屋上の際まで上る。
風で包帯が崩れる。

左眼は怪我をしている。
俺ではないけれど
代わりに巻いている。
俺が出来る贐だから。


眼球では捉えきれない暗い処まで墜ちて行きそう
そこに居るの?

歩いていく。左に校舎、右に四階下の地上に挟まれている縁をイメージして、
ゆっくりと
オレンジ色に染められて、躯が零に粒子まで分解されたら
もっと君に近づける?


美しい 僕に 成れる?

「教えてよ……」
じゃないと、崩れてしまうかもよ?

くらり、躯が傾いた。

どちらに倒れたっていい、もう、いい。

空っぽの躯

どうにでもして、
どうにかして、
誰か、
戻して。

俺の行く場所に

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