《MUMEI》 写真公開翌日、俺は早速守に『忍ちゃん』を見せた。 「お〜、可愛いじゃん」 「志貴の方が可愛いけどな」 「何? 祐也の彼女?」 当たり前のように、そこに拓磨と真司が加わった。 「で? 誰なの、あれ?」 「忍の妹」 唯一事情を知る志貴は、チラッと見ただけで、俺の側に来ていた。 「もういいだろ? 返せよ」 「他に写真無いのか?」 「わ、ちょ、待て!守!」 俺は守から携帯を奪おうとした。 「…拓磨」 慌て始めた俺を見て、志貴が素早く命令した。 「はい! おい、守、パス!」 「了解」 俺の携帯が、守から拓磨へ 「どうぞ」 「ん」 そして、志貴へ渡された。 「で? これは、誰?」 志貴が俺に突きつけたのは、忍の写真だった。 志貴は、忍とは会った事が無かった。 「藤堂さん」 守達がいるから、俺は、忍の名字を告げた。 「あ、祐也の保護者?」 「保護者の写真持ってるのかよ」 「結構いい男じゃん」 呑気な守 嫌味な拓磨 冷静な真司が感想を述べる中 かなり、間をおいて、志貴はしみじみ言った。 「この人が…ね」 そして、俺の手にやっと携帯が戻った 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |