《MUMEI》

その契約のお陰で、僕は人間と変わらない暮らしを送れるようになりました。

ですが最近──困っている事があります。

それは‥‥‥

「ぇ、リュー‥ト‥?」

「───────」

「だめ‥っ」

軽く突き飛ばされて、

「!‥」

僕は我に返りました。

「‥申し訳‥ございません」

僕は今まで、夜──アンリ様がお休みになられている時にしか牙を立てる事はありませんでした。

それなのに──‥

「な‥何で昼間から吸おうとしてるの‥?」

そうなんです。

僕はだんだんと──多くの血を欲するようになってきているようなんです‥。

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